About
開催概要
名 称|日本デザイン学会 第66回春季研究発表大会
主 題|「デザインとヒト:未来に向けて」
ノーベル賞受賞者であるHerbert Alexander Simonは「The Science of the Artificial」(1968)の中で、「デザインとは、現状を少しでも望ましいものに変えようとするための一連の行為である。」と定義した。私たちはデザインが対象とする「ヒト」、そして「デザイン」と「ヒト」との関係を、これからの未来に対して考えなければならない時期にきているのではないだろうか。名古屋において、新たな「デザインとヒト」について考えていきます。
期 間|2019 年 6 月 28日 (金) 〜 6 月 30日 (日)
6月28日(金):総会、エクスカーション
29日(土):口頭発表・ポスター発表
基調講演
懇親会(メルパルク名古屋)
30日(日):口頭発表・ポスター発表
会 場|名古屋市立大学 桜山キャンパス
(名古屋市瑞穂区瑞穂町字川澄1番地)
◽️大会長:
郡 健二郎(名古屋市立大学学長・医学博士)
◽️実行委員長:
國本 桂史(名古屋市立大学 教授)
主 催|日本デザイン学会
共 催|公立大学法人 名古屋市立大学
後 援|名古屋市
協 力|名古屋商工会議所
名古屋コンベンションビューロー
事務局|名古屋市立大学病院 医療デザイン研究センター(担当:加藤・國本)
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参加登録
参加登録費(単位 : 円/税込価格)
会 員 種 別 |
大会参加費 |
懇 親 会 費 |
大会発表費 |
会 員 |
8,000
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7,000
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5,000
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非会員 |
9,000
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8,000
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-
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学生(会員) |
4,500
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4,000
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5,000
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学生(非会員) |
5,000
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4,000
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-
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Program
プログラム(発表者へ:発表ガイドラインを更新しました)
基調講演
6月29日(土)13:30 〜 14:30
会場|さくら講堂 (図書館棟3F)
郡 健二郎 氏
医学博士・名古屋市立大学学長
基調講演概要
名古屋市立大学は、歴史と伝統を有する薬学部(134年)と医学部(75年)の2学部からなる大学として1950年に開設されました。その後、経済学部・人文社会学部・芸術工学部・看護学部、そして昨年開設された全国唯一の総合生命理学部の7学部7研究科からなる総合大学として発展を遂げてきました。
現在は「20年先を見据えた独創的な研究と世界に羽ばたく人材育成」をテーマに取り組んでいます。そのような中で、私の専門分野である医療における多様な研究を例として「デザインとヒト」がこれから未来に向けてどのように関わりを持っていくかをみなさんと考えたいと思います。
オーガナイズドセッションA
6月29日(土)15:00 〜 17:00
会場|医学部研究棟11F(講義室A)
「先端医療からのヒトへのアプローチ」
國本 桂史(オーガナイザー・名古屋市立大学)
橋爪 誠(九州大学/北九州中央病院)
須田 康一(藤田医科大学)
岡田 淳志(名古屋市立大学)
医療機関で使用されるデバイスやツールは「医療機器」とよばれています。
医療・ヘルスケア分野とデザインとは、いままでは、限られた関係を持ち、長い期間、大きな変化や改良が無いモノも多く、医療従事者が慣れることにより問題を解決してきました。
しかし、医療やヘルスケアの現場での状況や医療技術を支える工学技術、バイオ科学技術などが大きく進化して、その関係はより深く高度なレベルになりつつあります。たとえば近年顕著な進歩をとげているダ・ビンチシステムに代表されるリモート・サージェリック技術・VR技術・MR技術・手術支援ロボット技術などもその一つです。
新しい医療に関わるテクノロジーも、いままでにない方法論により、医療行為の新しい分野への対応や、医療行為の拡大に対応するために周辺技術や概念を取り込んで今後は高レベルな統合的なメディカルデザインへ変わることが望まれていくと考えます。まさに「医工統合」として、ヒトと医療とデザインの新しい関係に取り組む時期が来ていると思います。
私たちにとって、ヒトを深く理解する事は重要です。そこから医療・ヘルスケアの「新しいカタチ」が生まれると考えます。進化する精緻な医療・ヘルスケアの未来のためのセッションになればと思います。
オーガナイズドセッションB
6月29日(土)15:00 〜 17:00
会場|口頭1会場
「これからの社会人のデザインの学び」
山崎 和彦(オーガナイザー・Xデザイン学校)
國澤 近衛(産業技術大学院大学)
井口 博美(武蔵野美術大学)
稲葉 裕美(WEデザインスクール)
高野 葉子(グッドパッチ)
企業や行政においてデザイン思考やサービスデザインなどのデザインの導入が進められているとともに、社会人のための新しいデザイン教育が必要になってきています。また、経産省では高度デザイン人材育成についての推進をしています。このような背景より、このセッションでは、社会人のためのデザイン教育を推進している5名のパネリストに参加していただき、これからの社会人のデザインの学びについて、ディスカッションをします。
大学院のプログラムとして、産業技術大学院大学で社会人も含めたプログラムを実践している國澤先生に教育内容と課題について、2019年より武蔵野美術大学大学院造形構想研究科にて社会人にも対応した大学院を開始する井口先生に目的と教育内容についてお話していただきます。
また、社会人向けプログラムとして、デザイン経験のない社会人に対応した教育進めているWEデザインスクールについて稲葉さんに教育目的・内容と課題について、UI/UXデザイナーを育成するDesigners Gymを開始した高野さんに開始した理由・理念・内容について、4年前より社会人向けでのデザイン学校であるXデザイン学校を開始した山﨑さんには、教育内容と課題についお話いただきたいと思います。
最後に5人のパネリストと会場の参加者で「これからの社会人のデザインの学び」についてディスカッションをして、一つの方向性をまとめたいと思います。
オーガナイズドセッションC
6月30日(日)14:20 〜 16:20
会場|口頭1会場
「リビングラボを活用した高齢者の生活における課題解決の手法」
金井 宏水(オーガナイザー・日本インダストリアルデザイナー協会)
西田 佳史(東京工業大学)
北村 光司(産業技術総合研究所)
菊池 健志(クロスハート幸・川崎)
久永 文(日本インダストリアルデザイナー協会)
経済産業省は、日本が世界に様々なソリューションを提供する「課題“解決”先進国」となるために、学びと社会の連携促進事業(「未来の教室」(学びの場)創出事業))を推進している。
産業技術総合研究所(産総研)は、「未来の教室」構想の一分野として高齢者の生活環境と介護分野に視点を当て、観察と事例収集、分析と研究を行なっている。
その研究成果として、高齢者の生活における課題解決のための手法を紹介する以下の3つの教材(3種類の冊子)をJIDA(公益社団法人日本インダストリアルデザイナー協会)と開発したので、それらを提供しながらその教材をベースにした勉強会をもって研究発表としたい。
1--リビングラボが目指すもの
2--変えたいことを発見するために
3--ABC理論で考える問題解決の方法
実際に、リビングラボの取り組みの中で現場の職員と企業が問題を整理し、解決方法を見出した実践事例を紹介する。
オーガナイズドセッションD
6月30日(日)14:20 〜 16:20
会場|口頭2会場
「デザイン学とデザイン科学、その本質 ~
『デザイン科学事典』編纂が意味するもの」
小林 昭世(オーガナイザー・武蔵野美術大学)
松岡 由幸(慶應義塾大学)
加藤 健郎(慶應義塾大学)
佐藤 浩一郎(千葉大学)
井関 大介(ソニー)
UXデザイン、サービスデザイン、さらには農業デザイン、漁業デザインなど、デザイン領域は多様化と拡張の一途を辿っている。この背景下、デザイン学においては益々、デザイン対象領域に依存しない、その学術基盤となりうるデザイン理論・方法論に核を置くデザイン科学の構築が不可欠である.ここで、デザイン学とデザイン科学の違いは何なのか?
そもそも、デザイン学とデザイン科学という学問はいかなるものか?また、それらは本当に社会に有益だろうか?
これらの問いに、皆さんはどのような実感をお持ちだろうか?書籍『デザイン科学事典』(丸善出版)の編纂は、このようなデザイン学会の存在意義にも関わる根源的な議論から、デザイン塾(主宰:松岡)とデザイン理論・方法論部会を主な議論の場として、スタートした。
本セッションでは、本事典の編纂を通じて学んだデザイン学・デザイン科学の位置づけ、デザイン科学の枠組み、歴史的変遷、学術としての現有課題などについて解説する。さらに、今後、デザイン学とデザイン科学がデザインの現場や社会に有益と実感できるために、我々が何をなすべきかについて、フロアの皆様とともに論考したい。
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